イランからフェリーでホルムズ海峡を渡り、アラブ首長国連邦へ。
数名しか乗っていない外国人(イラン人、UAE人以外)を優先的に手続きしてくれました。
入局管理の職員が外国人全員のパスポートを集め、どこかに持っていき、まとめて手続きをしてくれました。
(これがのちにとんでもない事態を引き起こすとは、この時は思ってもいませんでした。)
到着したのは深夜。ホテルまで7キロの距離を歩くのは怖く、タクシーを使用しましたが、明らかなぼったくり価格。
運転手さんは、メーターが付いているタクシーなのにメーターを使用してくれません。支払いも現金のみと。
きっと会社に秘密でこっそり闇営業しているのでしょう。タクシーはなかなか通らず、フェリーから降りたたくさんのお客さんが並び始めたので言い値でタクシーに乗りました。
ホテルもこれまでの国に比べると、一気に値段が上がります。でも、ホテルのクオリティは決して上がりません。
掃除が不十分で、タオルもなぜか一人分しか置いておらず。コンセントは差しても電源が入らない、、、、。
UAEはとってもお金がかかる旅行先です。私のようなバジェットトラベラーはお呼びで無いのかもしれません。
UAEで一番有名な首長国はドバイ。こちらにあるのは、
世界で一番高いビル、ブルジュハリファ。
828メートルの高さです。
展望台は452メートルの高さがありますが、チケットがお高く今回は見送りました。
そしてそのブルジュハリファの階下に広がるのが、世界最大のショッピングモールとも言われるドバイモール。
1200もの店舗が入っています。あの超高級ブランドのキッズ服のお店まで、、、、ここで優雅にお買い物をする人たちは一体どんなに煌びやかな生活をしているのだろうか。アラジンのジャスミンみたいな生活してるのかな、、、などと妄想が膨らみました。
このドバイモールの名物といえば、
ブルジュハリファをバックに行われる無料の噴水ショー。30分ごとに行われます。時間になると人工池のまわりは人だかり。
特等席で見たい時は、ショーが終わった瞬間に場所取りをして次のショーを待つのが良さそうです。
何もかもが桁違いサイズのドバイ。
街に突如現れる四角い建造物。
ドバイフレーム。こちらは世界最大の”額縁”としてギネスに記録されています。
UAEを始めて訪れた主人は、メトロからの景色に大興奮でした。
さて、全てが煌びやかなドバイ。
私たちバジェットトラベラーにはなかなか観光を楽しめないと私は感じています。
ホテルも、かなりのお値段を出さないとまともなホテルに泊まることができません。
15000円ほど払っても、中の下と言わざるを得ないクオリティ。
それならいっそのことと、昔貧乏バックパッカー時代に宿泊していたような安いホテルに泊まることにしました。
といっても、UAEはたくさんの出稼ぎ労働者がいるものの、イスラム教徒の国です。
アジアやヨーロッパにあるような男女混合のドミトリー(部屋のなかにいくつもの2段ベッドが置いてあり、他のお客さんと部屋をシェアする安宿)がほとんどありません。
その代わりにあるのが、コンパートメントや、ベッドスペースという名前でホテル予約サイトに載っている安宿です。
これらの安宿があるのは、中心地から少し離れた安アパート街。アパートの一室をこれでもかっていうほど間仕切りして小さな部屋をたくさん作っています。
宿が入っていた古めのアパート。私たちがとまったところだけではなく、同じような宿泊所がいくつも入っています。
部屋と部屋の間隔が恐ろしく狭いのがお分かりいただけるでしょうか。
お部屋の中はこんな感じ。
ロフト?風ですが、部屋の大きさはベッドと同じくらいです。ベッドの下には小さなテーブルが置いてあります。
お風呂やトイレは他の宿泊者さんと一緒です。数も少なく、綺麗とは言い難いですが。
こういった安宿に泊まっているのは、私のような貧乏旅行者ももちろんですが、そのほかに、インドなどからやってきた出稼ぎ労働者がたくさんいます。
キラキラするビル街から離れた、少し古いマンションの一室におそらく何十人という人がひしめき合って暮らしています。
玄関に入りきらず、共用スペースの廊下に脱ぎ散らかされた靴、狭いベランダに、これ乾くの??という密度で干された洗濯物。窓から見える室内には、2段ベッドが複数個置いてあるのが見える。
現在、UAEに住む人の9割は外国人と言われています。そしてその多くがインドやパキスタンなどの南アジア出身者です。
レストランやホテルなどで働く労働者はほとんどがそういった方々。私のようなバジェットトラベラーが関わる現地の人はほぼほぼこういった出稼ぎ労働者です。
安く食事を済ませようとすると、どうしてもインド料理になります。何度ビリヤニ(インドのピラフ)を食べたか分かりません。
彼らは、母国を離れ、決して良いとはいえない労働条件で働き、狭いアパートで共同生活を送り、母国の家族に仕送りをしているのか、思うと、この国の光り輝く華やかさの影には、このようにインフラ維持のために働く外国人労働者の存在が不可欠だと思うと、私の心のフィルターを通して見る近未来を思わせるキラキラした街にもざらざらとした影が映るのでした。
さて、つぢの