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▶︎ご高齢者の旅行◀︎ 旅行先での骨折にご注意を

こんにちは。 諦めていた旅行を叶える、L. Journey JAPANです。

前回は旅行先での健康管理のために、気をつけたい3つのことをお話しさせていただきました。

本日は、もうひとつ、旅行先で気をつけていただきたいことをお話しさせていただきたいと思います。

 

それはズバリ、転倒です。

普段はすっかり出不精になり、1日の大半の時間をご自宅で過ごされている方も多いかと思います。

一方で、日常的に散歩をする習慣がある方もいらっしゃるかと思います。

また、持病がある方、ご病気から回復れたばかりの方もいらっしゃるかもしれません。

 

実は、どのようなの方にも、旅行先で転倒をするリスクはあります。

 

まず、旅行先は普段の歩き慣れた自宅内や散歩道とは違います。

歩き慣れない街のなかには思わぬ段差が至る所にあります。

 

弊社のベースがある函館もそうなのですが、観光地のメインストリートは石畳になっていることがあります。

風情や趣があり、とても美しいのですが、正直歩きにくいです。足を持ち上げる筋力が落ちている方は、足が引っかかってしまい、転倒しやすくなってしまいます。

 

森林の中を整備された遊歩道も、板と板の間の小さな段差に足を取られてしまうことがあります。

 

そして、転倒の危険は屋外だけではありません。

実は宿泊先のホテルや旅館にも気をつけたい危険がたくさんあります。

まずひとつめは、カーペットなのです。

意外と思われるかもしれませんが、特にホテルなどのロビーに敷かれているふわふわ起毛のカーペットに足を持っていかれてしまい、転倒される方がとても多いです。 ご自宅でも、カーペットの縁に足をひっかけられて転倒し、救急車で運ばれてくる方があとを立ちません。

また、自宅とは勝手が違うので、予期しないところに段差や床板が歪んでしまっているところがあったりします。

伝統的な旅館や、文化財などの観光スポットも最近の建築物とは異なり、至るところに段差があります。

 

私も、整形外科医をしていた頃(現在も非常勤ですが続けています。)は、驚くほど小さな段差に足を取られてしまった方や、高齢者の場合は特に段差がないところでも転倒し、怪我をされた方を、たくさん診察してきました。

高齢者の場合、平地で、立ち上がった状態からの転倒でも、かなりの高確率で骨折が起こります。それは、多くの高齢者が骨粗鬆症をお持ちだからです。

骨粗鬆症の方が骨折した場合、その骨折が原因で、体力・筋力低下が起こります。特に足の骨折の場合は、長時間ベッド上の安静が必要になることが多く、骨折が原因でそのまま寝たきりになってしまう方も残念ながらいらっしゃいます。寝たきりになると、筋力・体力のみではなく、嚥下能力や、胃腸、内臓の機能、認知機能などが階段から転げ落ちるように弱っていってしまいます。恐ろしいことですがその先にあるのは死なのです。

ですので、骨折をしないように、足腰の筋力を強くすること、骨粗鬆症を治療することに整形外科は真剣に取り組みます。

 

では、整形外科医でもある代表中島が、旅行先で骨折を防ぐために気をつけたいことを、ご説明させていただきます。

 

① しっかりとフィットする靴を履く

履き慣れた靴を履くことが一番です。でも、中には、旅行のために運動靴を用意される方もいらっしゃるかと思います。

おしゃれなパンプスを履きたいと思われるかもしれませんが、まち歩きをする際は、断然運動靴がおすすめです。

手指の変形や、前屈みの姿勢が難しく靴紐を結ぶことが苦手な方は、マジックテープのものをお勧めします。

大きさは、とんとんと、踵側にしっかりと足をつけた際に、親指がどこにも当たらずに動かすことができる程度です。

足の指を締め付けない、幅広タイプが良いかと思います。 土踏まずのアーチがしっかりついているものが良いでしょう

 

② ホテルや旅館のスリッパは使用しない。

スリッパは整形外科医の敵です!凶器です。

スリッパを履いて歩くということは実はとても難しいです。

踵部分が宙吊り状態になるため、普段歩くよりさらに足を高く上げなければいけません。これは実は筋力が入ります。

スリッパの底はツルツルです。摩擦が起きにくいので、大理石の上、雨水や温泉の水で濡れた床の上、どこまでも滑っていきます。カーペットとの相性も最悪です。ふわふわカーペットに、ツルツルのスリッパ。滑るだけではなく、引っかかってつまづく。足だけではなく、転んだ時に、手をついて頭を守ろうとするため、手の骨折の原因にもなります

 

また、スリッパの中で足がツルツルと滑るため、とっさの時に足の指に力を入れて踏ん張ることができず、バランスを崩しやすくなります

私は、踵が浮くスリッパやビーチサンダルを履きません。なぜなら翌日必ず筋肉痛になるからです。

宿泊先でもぜひ、スリッパの使用は控えていただきたいです。踵がしっかりと覆われる室内履きを持参するのも良いでしょう。

 

③杖を使用する。

”転ばぬ先の杖”です。普段使用されない方には抵抗を感じるかもしれません。

杖を使って歩くメリットは実はたくさんあります。

1つ目は、杖の先で地面の感触や、凹凸を確認することができます。段差や障害物を事前に察知したり、地面の質感を感じることで、歩き方を工夫することができます

2つ目は、体のふらつきを抑えることができるため、バランスがとりやすくなります。バランスがとりやすくなるとテンポよく歩くことができるようになり、転倒リスクを軽減することができます。

3つ目は、足腰にかかる負担を軽減できます。杖にも体重を分散することができるため、足腰にかかる荷重が少なくなり、痛みの緩和にもつながります。

普段は近隣の方の目が気になり使用に抵抗があるかもしれませんが、旅行先では、ご家族や同行スタッフしか見ておりません。思い切って杖を頼ってみるのも良いかもしれません。(観光地に行く前に練習することを強くお勧めします。)

 

④歩くことによる負担が大きいことが予想される場所では車椅子を使用する。

こちらも人によっては抵抗があるかもしれません。私たちもぜひともご自分のペースで、ご自身の足で歩きながらまち歩きを楽しんでいただきたいと思っています。

 

しかし、お体に負担がかかり、体調を崩されたり、転倒して骨折をされるような事態になったら、きっとその旅行の思い出はとても辛く悲しいものになってしまいます。私たちは一つでも多く楽しい思い出をお持ち帰りいただけるようご案内いたしmす。

すべての旅程ではなく、あくまで、長距離歩行が必要な時、坂道や凸凹があり歩行の負荷が大きい場所などで限定的に車椅子を利用することも可能です。

お写真を撮るときは、車椅子から降りて撮影しましょう。

お体にはなるべく負担をかけずに、旅行を楽しんでいただけるよう、車椅子を利用することも、私たちができる”工夫”の一つです。

 

以上、旅行先で怪我や骨折を防ぐために、ぜひ行ってほしいことを整形外科医としての経験をもとに説明させていただきました。

 

(木の幹から咲く桜たち。小さくさりげなく咲く姿がとても可愛らしくて、ほっこりした気持ちになりました。)

 

長距離の歩行が不安な方や、歩くのがゆっくりペースの方も、無理のない旅行プランをつくり、ご案内いたします。

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