代表中島の
旅行日記•季節のおたより

旅行日記やお知らせを掲載致します

News

認知症・記憶障害と旅行 〜映画 オレンジ・ランプを見て〜

こんにちは。

医師免許を持つトラベルヘルパー、L. Journey JAPANです。

 

先日、函館と近隣都市の合同住民講座に参加しました。若年性アルツハイマー型認知症がテーマでした。

この講座では、まず、若年性アルツハイマー型認知症の男性が主人公の映画、『オレンジ・ランプ』を鑑賞しました。

この映画は、丹野智文さんという39歳の時に若年性アルツハイマー型認知症と診断された男性の、実話を元にしたストーリーです。

人の優しさが心に染みて、元気が出る、明るい感動のストーリーです。

 

そして映画の観賞後には、この映画のモデルになった丹野智文さんご自身と、同じく若年性アルツハイマー型認知症の当事者である山中しのぶさんが登壇され、講演会が開催されました。

Screenshot

 

まずはじめに、当事者のお二人が「認知症を患っているなんて信じられない!」と言われて困惑するとお話しされておりましたが、正直申し上げて私自身も同じ感想を抱きました。

お二人とも、言葉に詰まることや、会話が途切れることがなく、お話しされます。壇上のお二人は、私たちと何ら変わりません。山中さんは、ご自身で介護施設を経営される経営者です。

 

”認知症”、ときくと私は、普段接することの多い高齢者の認知症の方々をイメージしました。

しかし、若年性認知症と加齢による認知症は、同じ認知症でも全く異なるものだと認識しました。

若年性認知症の方々は、お身体が不自由とか、物が食べられないといった障害はありません。ですので自分で何でもできるし、どこにでも行けます。

認知症なのに、”スマホは使えるんですね?” ”お買い物はできるのですね?”そんな質問をされることもよくあるといいますが、当事者にしてみたら、きっととても不愉快ですよね。

 

若年性認知症の方は、

記憶が苦手であることで、日常生活に不具合やマイナートラブルが生じます。

ただそれだけなのです。

 

映画の中でも語られていますが、家族を含め周りの人々が優しさから、何でもかんでも手を差し伸べて助けてくれます。そのせいで、当事者は自分でできることも取り上げられていくことにより無力感に悩まされていくことになります。

私たちに必要なことは、あくまで、できないことのサポート、トラブルが生じた時のサポートであって、彼らを守ってあげることではないと、私自身ハッと、再認識させられた部分も多々ありました。

認知症の方々は、アラームを細かくセットし、そのアラームがどうしてなるのかがわからなくなるためメモをとったりと工夫をしながらトラブルが起こらないように生活されています。自宅のテーブルクロスを紙にして、そこに全てを書くことにされている方もいるそうです。

 

講演会では、事前に質問を送らせていただくことができたので、旅行やお出かけの時のお困りごとや、あったら嬉しいサポートについて質問を送られてもらったのですが、何と、私の質問を講演会中に直接お答えいただけるチャンスがありました。

 

その中で、 初めて泊まるホテルの、使い慣れない蛇口やエアコンのスイッチは使い方がわからないことが多く、使い方を教えてもらうため、その場を離れフロントに電話して使い方を聞いても、いざ蛇口やエアコンの前に戻ると、説明してもらった内容を忘れてしまうとのことでした。

また、前売りや往復でチケットをとっていたことを忘れてしまうこともあるそうです。

トイレのタイミングも、何かに夢中になっていると忘れてしまうことがあり、いざトイレに行きたいと思ってからトイレを探すでは間に合わなくなってしまうことがあるとのでした。

 

でも、丹野さんから、

”だからと言って全てが管理されている旅行は、旅行じゃないし全然楽しくない。”

とのお言葉がありました。

 

私もまさにその通りだと思っております。

また、自分で決めたことや、自分で買ったものには記憶が残りやすいのだそうです。

周りの人が用意したものには、記憶を結びつけることが難しく、また、用意した人にしてみれば、”せっかくやってあげたのに”という印象が残ってしまいます。

 

”社会が、守ってあげるのではなく、失敗を受け入れフォローできることが、バリアフリー。”

私自身、認知症の方々と携わるにあたり、接し方が少し変わるような気がしました。

 

丹野さんのおはなしで印象的であったのは、日本の福祉は、”守ってあげなければ”という考え方から始まるが、欧米は、”どうやったら本人が自立できるか”にスポットがあたっているといいます。

例えば、日本の場合、認知症の方に持たせるGPSの機械は極力小さくなっていて、ご家族が本人の意思に関係なく、スルッと忍ばせて持たせられる物が多いとのことです。これは正直、ご本人の安心というよりはご家族が安心するために”持たせる”ためのものです。

一方で欧米の場合は、ご本人が必要性を認識して、自分自身が迷った時のために持つため、それほどコンパクトではないとのことです。

コストはもちろん、小さい日本のものの方がかさみます。

このお話を伺い、本当に必要なサポートについて、考えさせられました。

 

今回の学びは、認知症だけではなく、多くの健常者についてもより良い暮らしに繋げられるアイディアに満ちていました。この学びを活かし、たくさんの方々の笑顔に繋げられるよう邁進して参ります。

 

L. Journey JAPANではもちろん、認知症のお客様にも対応可能です。

認知症でも楽しい旅行を実現できます。

ぜひご相談ください。

 

 

 

 

 

 

Contact

当サイトのお問い合わせフォーム、お電話、
公式LINE等でお問い合わせください。

TEL.070-8911-6029

お電話対応時間 9:00-18:00

同行アテンド中、医師業務中は不通となる場合がございます。
必ずこちらから折り返しご連絡をさせていただきます。
少々お待ちください。